重延 浩著「ロシアの秘宝「琥珀の間」伝説」NHK出版

読んでいる途中、この方は、学者ではないなと思ったんですが。

でも、あちこちに聞き取り調査のようなことをされており、どのような方なのだろうと思っておりました。最後に書かれている経歴を拝見して、あぁ、メディアの方なのかと納得。

そして、この方が歩いた風景などが目の前に見えるような表現で、なんだかドキドキさせてくれるのです。歴史検証というよりは、ドラマチックに構成したドキュメンタリーのような本と言えばいいでしょうか。写真の使い方も上手なんでしょうね。

エルミタージュからナチスが持ち去った琥珀の間はまだ存在するのか?

琥珀の間は、ケーニヒスベルク(現ロシア領カリーニングラード)に運ばれたと考えられる。そして、ケーニヒスベルク城で展示されたが、イギリス空軍の空爆にあい、琥珀は全て消滅したとされている。

最初は、ロシアが、琥珀の間を復元するストーリーから始まります。技術者たちの苦悩。だれも本物を見たことがなく、カラー写真もないところから、はじまったようです。

ケーニヒスベルク城の焼け跡から、琥珀の間はここで消滅していないと考えるいくつかの理由。どのように琥珀の間が隠されていると考えられているのか。本当に爆撃にあったと考えられる部分と、取り外された形であるかもしれないこと。

「私のコレクションのあるところに琥珀はある」と言い続けたエーリッヒ・コッホの発言。それらを探す、KGBや、ハンターたちのこと。

ネットで読む限り、まだみつかっていないようですね。

いつかひょっこりでてくるんでしょうか。そうねがってます。爆撃なんてない、平和な世の中が続きますように。
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市田幸治著「アメリカン・アンティーク」

アメリカ美術の特質という章からはじまります。

さらっと読むだけだと、アメリカの歴史も、ヨーロッパの様式もよく知らないもので、脳に入っていく感じまではいけませんでした。目次列挙をしてみると、なんとなく、ヨーロッパから少しずつ時代を遅らせて入って、アメリカにあう形で定着なのでしょうか。

ジェームズタウン創設の時代
ジャコビアン様式
ウィリアム&メアリ様式
ジョン・スマイバートとバーミューダ島
クイーン・アン様式
フォーク・アート
ヘックス・サインとフランクチュア・ペインティング
丸木小屋
無名画家ライムナーの活動
肖像画家ジョーゼフ#バッジャー
植民地ロココ様式とポール・リビア
独立戦争とジョン・シングルトン・コプリー
新古典様式
フェデラル様式とダンカン・ハイフの家具
ピラ・アンド・スクロール―量産革命の時計デザイン
折衷様式
シェーカーの家具
近代につながるアメリカン・アンティーク

先日みた、ドールハウスはどんな様式だったのかしら?
20170131_house6 (5)_mini
20170131_house6 (6)_mini

しばらく、様式の詳細を検索したりしてたのしめそうです。

バミューダ島にはいってみたくなりました。NYCから一時間半。でもイギリス領なんですよね。

バレンタインっぽく


ベルギーのチェリービール。
20170214_Valentine (5)

イタリアのチョコレートらしい。バナナのようなとかいてありましたが・・・舌の上においた触感からそんな感じでした。
20170214_Valentine (6)

現地で買ったらいくらなんでしょうね。ちなみに、下世話な話ですが、1個800円でした(^○^;

大野彩「フレスコ画への招待」岩波アクティブ新書(2003)

著者の方は、作品も作っていらっしゃるのですね。三鷹のジブリの森や、横浜のベーリックホールなどは作品を拝見できそう。

さて、フレスコの定義なども、正確には分かっていなかったので、技法を丁寧にかいてくださっているのはとても助かります。壁に、砂と石灰で下塗り(arriccio)、赤茶色の顔料で下絵を描く中塗り()sinopia)し、描画用の壁を上塗り(intonaco)する。そして上塗りが乾き始め、乾き切らないうちに塗り終わるのが技のようです。この時間しか顔料がよくのらないので、一日分だけの区画切りをして、その日の分を一気に塗り上げるというお仕事だそうです。

あまり、ダヴィンチは、この技法に向いてないといわれているのは知っていましたが....。これから先は、意味をもう少し理解して記憶できるといいな。すぐ忘れるかしら。

本の中では、有名なフレスコ画を順にみていきます。

丁度、ダヴィンチの最後の晩餐について擁壁(この本では土嚢とかいてありますが)で防御したというのを読んだばかり。そもそも修復がとても大変だったのですね。何度かテレビで修復の話はみたと思いますが。あらためて、第二次世界大戦で建物が破壊され、野ざらしになったこと。その後、あれこれ修復と名付けて加筆があったのを取り除き、オリジナルの構図にもどしたというお話も頭に染みつきました。

また、数年前、タルクィーニアのエトルリア人のお墓にいきましたが、これはかなり古いフレスコの例なのですね。そんな認識もせずに漫然とみてしまいました(笑)。技法が同じなんて・・・考えてもなかったでした。お墓は地中にあるので、いくつかとってもうつくしいものがありましたよ。

あーイタリア行きたい。アッシジ、フィレンツェ、ピサ・・・。移動が多い旅行は嫌いなのですが、二か所くらいずついかないと、なかなかいけないでしょうかね。日本にもたくさん行きたいところがあるのですが。

リン・H. ニコラス著「ヨーロッパの略奪―ナチス・ドイツ占領下における美術品の運命」

西洋絵画好き必読かも。

いや、どれもこれも手に汗握るストーリーです。

始めは、第一次大戦まえからなんでしょうか。ヒトラーが「退廃的」と称した絵は、粛清の対象になるのですが。それを、軍資金に充てるためにオークションにかけたり。みなさん目的がわかっているので、激安で売られていくとか。そして、それは一部であり、多くは粛清されてしまったとのこと。

一方で、みなさん、必死に、大切な絵を隠すわけです。もちろん、粛清や、没収から守るために。ヨーロッパは危険だからアメリカへ渡ったものも多かったようです。

その後ドイツがどんどん侵攻していきます。

ナチスのロンドン空爆を描いた映画もたくさんあり、タイトルとしては「ヘンダーソン夫人の贈り物」、最近では、「イミテーションゲーム」なんかを思い出すけれど。何かの映画の中でも、美術品を退避しているシーンは何度か見ているような気がします。ヒトラーが集めている絵は、伝統的な、ドイツの絵。クラナハなどがお好きだったようです。ムソリーニ訪問時に、喜んでウフィッツィをくまなくみて歩き、ムッソリーニを辟易させたとかいう話も、ここだけ切り出してみると、なんだか笑ってしまいますが。

ポーランドから始まります。なんとなく、ポーランドのものは多くが破壊されてしまったように読めますね。

そして、パリへ・・・。実は、ナチスもフランスの文化を好んでおり、パリを大事にしたようです。特別な扱いだったのですね。

とはいっても、グッゲンハイムさんなど、状況を読まずに楽観的に買い付けるシーン。アメリカに逃げるための資金としてアートを売る人たちがいたこと。また状況が変わったが、彼女の絵をルーブルが保護してくれなくて泣きそうになっていたようです。最終的には友人宅に隠します。淡々と事実のように時系列に事実が書いてあるように読めるにもかかわらず、心情が手に取るようにわかるような気がしてなんともいえないものでした。

さらに、オランダへ・・・。

先日訪問した、クレラー・ミューラー。こんな風にゴッホ、ピサロ、マネなどを買い付け方法におどろきました。どうしてこんな絵を買ったんだろうと思った、ルノワールのピエロや、エル・グレコのぶどう・・・なんていうのは、こんな風に購入されたのかもしれないですね。退廃的というか、ため息。次回行くときは、笑って拝見できないかもしれません。愛おしいかも。

こうしてどんどん進んでいきます。もうちょっと、年号をしっかり読み取っておけばよかったかな。でも、この後、1940年くらいに、ホイットニー、ロックフェラー、グッゲンハイムなどがアメリカ入りしていると書かれていました。また、アメリカ主導の芸術家・知識人・政治的亡命者をアメリカに避難させる計画があったようです。現地では、ヴァリアン・フライという人によって、シャガールや、エンルストなどがアメリカに亡命したとかいうこともかかれていました。

このあとも、ヒトラーとゲーリングの収集は続いています。

そしてエルミタージュ。まだ見ぬそこにも、ナチスはいっていたんですね。あぁ、読むにつけても痛ましい。そして、エルミタージュの館長の素晴らしさ。泣けました。

一方で、アメリカ。日本の作品も保護されたことなどはなんともいえません。あるいは、防空壕の地下で大変なことになっていた美術品の保護対策とかを議論したり。日に当てないと黄変しちゃうんですねぇ。アムスの国立美術館にあった「夜警」もそのひとつだったみたいです。イタリアのダ・ヴィンチの最後の晩餐が擁壁で守られている絵も始めてみました。イタリアもこんなに大変だったのですね。

その後、連合軍による占領・・・。ここから先はいろいろ登場人物が多くて理解できず。最終的には、分類にしたがって、返還されたり、アメリカに残されたりしたということがかかれています。また返し先の見つからない美術品もちゃんと管理されており、今も活動は続いているようです。

フェルメールは、もう1930年代には大きな存在だったのなぁというのも、実感いたしました。なにしろ、ナチス・ドイツでも流行していたこと。ゲーリングのもっていた「キリストと姦婦」の贋作のこと。それから、アメリカに渡ったフェルメールとその返還のお話など、この本を通してフェルメールの人気がわかります。

さて、著者についても、訳者あとがきから少し読み取りました。アメリカ人で、イギリスの大学を出て、ワシントンDCのナショナルギャラリー勤務という方のようです。アメリカ人の著作だろうと読みながら思っていたのですが、ヨーロッパにお詳しいのもこの留学経験によるものなのでしょうか。

失われたものも多く、戦争も悲惨だったと考えますが。その中で、多くの人が、こうして守った文化財というのはすごいな~とつくづく思います。

今、自分が、少しずつかかわっていることも、そんな営みの一部になるとよいなと、思っております。

次は、『ダ・ヴィンチ・レスキュー』(2006)/『モニュメンツ・メン』(2009)/『イタリアを守れ──ナチスからイタリア国宝を救う競争』(2013)をよもうかなぁ。映画『モニュメンツ・メン』(邦題『ミケランジェロ・プロジェクト』監督ジョージ・クルーニー)もみなきゃ。と思ったけ
ど、日本語の本がないじゃない~。英語版Rescueing Da Vinciオーダしました。
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