FC2ブログ

記事一覧

ラファエラアカデミア一日講座「快慶と安阿弥様」

毎年2回出席しているけれど、どうやら私は記録をさぼっていたらしい。

前回2017年7月8日の「特別展 運慶を鑑賞するために」も受講しています。

それはさておき。

今回は、こんなにきれいに論じられるものなのかと思うほど美しい講義内容で。その辺が、几帳面な快慶様のなせるわざなのでしょうね。

講義でしか得られない情報をブログに書いていいのでしょうかぁ。どうやら、論文 山本勉「安阿弥様阿弥陀如来立像の展開 -着衣形式を中心にー」 (『仏教芸術』167) 1986年 にすでに確立していた論理のようです。

-------------------------
1. 安阿弥陀仏快慶

快慶は、無位時代(肩書なし)、法橋、法眼という時代で、署名が違い、作品の時代分類がある程度明確というお話から始まります。
 無位時代 - 仏師快慶
 無位時代 - 巧匠安阿弥陀仏 (安は梵字で記す)
 法橋時代 - 巧匠法橋快慶
 法眼時代 - 巧匠法眼快慶

巧匠なんて、なんて傲慢な名前!と思いましたが、これは後白河法王から頂いたお名前である可能性があることもご説明いただきました。

そして、各時代の快慶作品と、署名を見せていただきました。無位時代は年代が書いておらず、また銘文は足枘にあることが多いという挿入が楽しいです。像が倒れて足先がとれて、そこからファイバースコープで覗いたら銘文が・・・なんてアクシデントでわかったケースもお話にでてきましたよ!
-------------------------
2. 安阿弥様の作品

快慶と確定している作品が、39件 49躯
うち三尺阿弥陀像は、 16躯

おおよそ三分の一なんですね。しかも、16体ならべてみますと、みんななんだかそっくり。快慶が、実は、三尺阿弥陀像については、実に定朝の和様を継承した維持するという保守的な一面をみせていたとのこと。同時代の快慶以外の人たちは、新しい作風で、快慶の存命中であっても、三尺阿弥陀の形式を発展させていたにもかかわらず。

-------------------------
3. 安阿弥様の源流

三尺阿弥陀像のお話に入っていきます。

三尺阿弥陀とは、鎌倉以降大流行した仏像の形式。来迎印を結ぶ阿弥陀如来立像。大きさは3尺程度。来迎印から、臨終行儀・追善仏事の本尊と考えられます。

流行った理由は、浄土教系の本尊として使われたためとのこと。このころ、清凉寺釈迦如来像にみられるようなインド・中国の像が入ってきている一方で、定朝の和様成立後の日本としての霊験像の確立がなされたのではないか?というお話もありました。

そして、快慶作の三尺阿弥陀は、以下のような特徴をもっていたようです。
・衣を3種つける - 裙、覆肩衣、枘衣
・下半身の衣文は双曲線

先生の著作『続仏像のひみつ』からも、絵がたくさん引用されていました。

-------------------------
4. 安阿弥様の展開

快慶作の着衣の表現の変遷をみます。16体そっくりなのですが・・・・

特に襟の表現に変化があるということをみていきました。第一形式は、V字型のシンプルな襟。第二形式は、右肩にかかる衣の裏側が見えています。第三形式は、右肩に加え、左肩にかかった衣の裏側もみえています。

この第一・二・三形式は、快慶の書名との対応を学びました。もちろん、ぴったりあっているわけではないのです。どちらかというと、第一形式が7体、無位時代・法橋時代の途中までを占めていましす。第二形式が7体、法橋時代・法眼時代に作られたようです。第三形式は、今のところ2体のようです。

-------------------------
5. 安阿弥様の意義

実は、鎌倉時代、 安阿弥様は主流ではなかったというお話。前述のとおり、鎌倉時代には、新しい作風の三尺阿弥陀がたくさん出現していたためです。

江戸時代、浄土真宗が、本山から末寺へ、"本尊"として、同形の阿弥陀如来像を下付け。そのために同形の三尊阿弥陀如来を大量生産したとのこと。その時の形式が、安阿弥様ということらしいです。

うふふ、一番最後が、一番面白かったです。快慶様のこの美しい形式を模すというアイディアは、他の実験的な仏像を模すより、受け入れやすかったのではないか、という推測は、容易に納得がいくではありませんか。

浄土真宗の本山仏師 渡辺康雲が造像していたと記録されているそうです。実は、渡辺康雲というのはある特定の人物ではなく、そこにいる仏師の名前ではないとかいうお話でした。また、古い仏像を本尊とするときも、「康雲拝見」という本山のお墨付きをつけて末寺へ出していたのそうです。承認印がついたものでないと、末寺は本尊をまつれなかったんですね。

運慶のお話に比べると、体系立てやすいのが、保守的である証拠なのだと思います。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

M

  • Author:M
  • Yogi目指して、ほへ~っと。

最近のトラックバック

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム